Kachi

エルヴィスのKachiのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.6
【エルヴィスを知る一助に】

エルヴィス・プレスリーの名前はもちろん知っているが、彼がどのような人生を送っていたかはほとんど知らなかった。そのため、伝記作品として本作を観ると大変勉強になった。

一方、黒人差別の歴史やロックンローラーの破天荒さ、そしてアーティストの孤独というテーマはありふれており、映画作品として観ると既視感のある作品に映った。

エルヴィスの往年のファンからすれば、トム・ハンクスが演じた大佐に対する想いは複雑だと思う。本作は大佐自身の語りで始まるため、大佐の弁明のような印象を受けるが、エルヴィスがスターダムを駆け上がり、紆余曲折を経て42歳の若さで亡くなる顛末を見るに、私個人としては大佐の引き際の悪さを呪いたくなった。

第95回アカデミー賞作品賞候補作ではあるものの、中年以降のアメリカ人+エルヴィスファン映画という印象が強く、他の作品をノミネートした方がオスカーの品格を上げるのではないかとも思ったりした。
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