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ミッドナイト・ファミリーのshuuheyのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイト・ファミリー(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

エンタメ展開は無いもののメキシコシティにおける医療事情、行政機能の停滞、自己責任の複雑さを、ある家族の闇営業を通して赤裸々にしていく過程だけでエンタメになっている。フィクションにしたら闇救急隊版ナイトクローラーになる。
デブ次男、運転席と後部座席の間の隙間に絶妙な挟まってるの好き。営業許可証が無いので患者に請求しても警察に逃げられ支払われない場合があるの辛すぎる。
助手席に乗った患者の母親に真ん中に座ってくれと頼むが焦って真ん中に座れない。親父が運転席に乗り、長男が真ん中にずれる。いつも運転してる長男が車輌誘導と受入先病院への連絡を、親父が運転を。これを何の遣り取りも無しにやる連携プレイ。これは冒頭で見せてほしかった。死と隣り合わせの車に乗ってるのに、まるでアトラクションで騒ぐ子供のように次男坊たちが楽しんでるのも同じく。
ベテランである親父の手が震えていたのが印象的。深堀りされなかったが病気と関係あり?
搬送中、母子が横並びでストレッチャーに乗せられているシーン、ベルトで腕を固定されているので手を握ることができないとこもドラマになるよな。
警察に書類(許可証?)の提示を求められるシーンで内輪揉めしてたのは芝居?許可証なんて無いのにどこに仕舞ったんだと芝居を打ってた?だとしたらすごいぜ。
手持ちの画を極端に嫌うカメラなのでこれがドキュメンタリーであることを忘れる。特にカーチェイスシーンはエンタメ的な展開を期待してしまう。
現状を変える打開策を模索する暇もなくただ日々をこなす、その顔にお先真っ暗な不安が滲んでた。ただ、現状を受けるだけで問題に対してのアクションや抵抗が弱かった上に人物が見えてこなかったので心残り。
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