コマミー

ミッドナイト・ファミリーのコマミーのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・ファミリー(2019年製作の映画)
4.2
【夜道の家族達の戦い】


https://www.madegood.com/midnight-family/

本編はこちらからも鑑賞できますが、Amazon prime Videoなど動画配信サービスでも現在有料で観ることが出来ます。ほとんどの方はMadeGood.Filmsさんからのオンライン試写会で鑑賞された方かと思いますが、私は仕事の都合でだいぶ遅れての鑑賞となってしまいました。ですが本作は劇場鑑賞扱いとしてレビューします。




日本の"救急車"の管理というものは、地方の消防団体が所有するものは、総務省消防庁と言う組織がしっかりと管轄を務め、設備や構造もしっかりと規約がある。医療機関が所有するものは、ドクター・カーなどを含め厚生労働省が管理し、それぞれの政府組織がしっかりと管理している為、動けている。
だが、それは恵まれているから。組織がしっかりとまとまっていない発展途上の国だと、"救急車ですらも足らない国"も多い。それくらい、医療がしっかりと行き渡っていない証拠なのかもしれないが、とても厳しい現状なのだ。このコロナ禍だと、尚更響いてくるだろう。

この"メキシコ"でもそう。メキシコでは公営の救急車の数が、国の総人口に対して圧倒的に足りない。だが代わりに、ある種類の救急車が"営利目的"ではあるが、人々を少しでも救う為走り回っている。

    "私営の救急車"だ。

驚いたであろう?私も驚いた。私営の救急車なんてものがこの世に存在するだなんて。
そしてこのドキュメントに登場する"オチョア家族"なのだが、まだ"子供"も手伝ったりしているではないか。医療の知識があるのかどうか分からない子供まで……いや実際知識だけでは通常は手伝ってはいけない。
だが、この国では"頼るしかない"のだ。そしてこの家族も、この職業に"賭けるしかない"のだ。正直この国に、真に心から信用出来るものはあるのか?汚職警官から尋問を受けようが、世間から疑問視されようが、そもそもまともな救急車がない国では、素人が乗る救急車に頼るしかない。
ここには、"メキシコの様々な厳しい現状"が垣間見えているドキュメンタリーになっていた。

配給元であるMadeGood.Filmsさんには感謝しかない。メッセージがなければ、観ずに今年を終えていたに違いない。
よくよく考えてみれば、世界中に起きている話なのかもしれない。いずれ世界的に本当の意味での医療崩壊が起きていたなら、このメキシコの現状みたいになるかもしれない。

貴重な作品を見せて頂き、ありがとうございました。
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