メキシコ市では数が圧倒的に足りないので民間救急車が走っているとの字幕。運転席を撮る車載カメラに座席中央からローティーンのガキが顔を覗かせる。ん？無線が入って急行、患者を搬送、翌朝電話で彼女にその様子を説明する会話…説明無しの密着ドキュメンタリー。フィクションだと思って見始めたが…救急車と一家のハンドルを担うハイティーン！の兄貴は格好いい。ちょっと頼りなげな父親ではあるが、すぐに金を貸してくれる友人はいる。勉強嫌いでしっかり者の弟、看護師は叔父さんだろうか。ちらりと映る妹、そして母親の不在。不条理と矛盾と貧困を乗せて夜を走る救急車は、ときにガス欠で止まる。
