碧

市民Kの碧のレビュー・感想・評価

市民K(2019年製作の映画)
3.5
資本主義化に乗じて財を成した新興財閥のトップたちは、エリツィンに引き続き、自分達に都合の良い男を大統領に据えたつもりでした。しかし…その男は、プーチンだったのです。(キャー!(恐怖の叫び声))
…みたいなお話(ドキュメンタリー)。

プーチンと戦っている人を取り上げているのだけど、結構同じムジナというか、その発言はそのまま自分への非難になる(いわゆるブーメラン)のではないか?という感じもあったり。というか、実際にそういう描き方をされている。

ドキュメンタリーは中立であるべきという主張もあるけど、全くの中立で、監督の持っていきたい方向がはっきりしていなかったら、それはそれで見づらいと思う笑
監督は反プーチンであることは確かなのだけど、市民K(ホドルコフスキー)をどう描きたいのかな?同時に彼のことも責めたいのかな?という辺りが、どういうスタンスで見ればいいのかはっきりせず、落ち着かない。

ホドルコフスキーは良い人でもなければ、現在の状況を生み出した原因の1人でもある(本人はそれを自覚していないように見える)。と同時に、現在の状況を打破することに力を注げる数少ない1人でもある。

巨万の富を築くというのは、その人の才能ではあるけれど、同時に社会に対する責任が生まれると思うので。
ホドルコフスキーがその財力を使って社会に貢献する(自分や身内以外の人間の為に働く)のは、ある程度当然すべきことのような気もする。

他の国の歴史とも関連して、「巨大企業と時の政権」「大富豪とその責任」みたいなことを考えさせられた。
碧