minohachi

世宗大王 星を追う者たちのminohachiのレビュー・感想・評価

世宗大王 星を追う者たち(2019年製作の映画)
3.7
1440年代、朝鮮王朝第4代国王の世宗に才能を見出された奴婢チャン・ヨンシルは、国王の望む「時刻」や「暦」を測定するための機器を作りだす。
西洋からもたらされた知識から「水時計」を自作し、太陽がなくても「時刻」を知ることができるようになり
明国の暦法と朝鮮の農事がずれていることから、天体観測を元に「朝鮮独自の暦法」を編み出す。
しかし明国に従属していた朝鮮にとって独自の暦法を持つことは危険なことだった(暦を司る者が国を治めるというのは大陸でも日本でも同じ)


物語は副題の通り、世宗とヨンシルが身分をこえて共に星に託した夢を追う。
派手なアクションなどはなく、じっくり2人の心の交流や夢などが描かれているのが良い。
ただ天文に関しては、渾天儀など天体観測の機器は出てくるものの実際の観測や暦の編纂についてはほぼ端折ってふわっと描かれていたのが残念だった。
(日本では江戸初期に渋川春海によって日本独自の暦が作り出され、江戸後期に高橋至時やその息子らによって太陰太陽暦(今の旧暦)が編まれる)


後半で少し出てくる朝鮮独自の文字ハングルについては他の作品を観た方が良さそう。
「根の深い木〜世宗大王の誓い〜」「王の願い ハングルの始まり」
minohachi

minohachi