ワンダフルデイズモーニング

眠る虫のワンダフルデイズモーニングのレビュー・感想・評価

眠る虫(2019年製作の映画)
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おまえは無邪気を楽しめるのかみたいな問いを突きつけられている気がする。
誰にかといえば監督に、ではない。
それはなんであろう、グレートスピリッツみたいなものにである。

おまえはコップの水に射し込む光のきらきらにどのくらい心が揺さぶられる?
おまえは河原に落ちてる変な形の石を日が暮れるまで集められる?
おまえの携帯のカメラフォルダに虹の写真は何枚ある?
おまえは幼い子どもの発する言葉をどのくらい書き留めている?
おまえはセミが羽化する様子を探しに山に行ける?

無邪気と書いたが無邪気ではないのかもしれない。ともあれ統御の外にあるもののことだ。脳の外にある世界のことだ。

果たして俺は他の人に比べれば賛辞の拍手に込める力が弱っていることを自覚するが、他の人たちが繰り返し思い切る音の大きさを嫌とは思わないし、この作品が高い評価をされていることをかなり嬉しく思っているんだ。
だからこの感想文はフラジールで持田香織が垣間見せた「躊躇う気持ちも嘘じゃないよ」という及び腰の自覚を書いているだけなのだ。自分の吐く息が青いことをちゃんと認めようと、そういう姿勢なのです。
畏れながら白状するけど俺には霊感がないんだ。幽霊は見えない。

ただ一点、てらいなく、個人的にはエンドクレジットをいいと思ったよ。
曲もさいこ〜。