特売小説

東京の恋人の特売小説のレビュー・感想・評価

東京の恋人(2019年製作の映画)
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世代ではない人間が憧憬を抱いて再現したものか、或いはど真ん中の人間が当時を思いながら描いたものなのか、それはあたしには分かりませんし知る必要もない事だと思いますけれども。

まるでごっこ遊びのように非常にわざとらしくなってしまう事も承知で意図的に、その感覚を、2019年が舞台の物語の中にぶっ込んだ訳ですよね。

そうする事によって果たして、その感覚が、相対化され剥き出しになった状態で観客に提供される訳ですよね。

おぞましいと思いましたよね。

気色悪いと思いましたよね。

同時代を生きながらしかし幸いにもその感覚を、何処か知らないお伽の世界で行われているものとして客観視するどころか触れないように生きてきたあたしでさえも。

尻がむず痒くなってしまい額をアスファルトに擦り付けながら勘弁してくれと、喉から血が出るほど絶叫したくなりましたよね。

言っとくけどなぁ。

こんなこっ恥ずかしい青春を生きていた、或いは憧れていた連中もきっと今は黒歴史として封印してる筈、だから墓を掘り返すのはやめてやってくれよな、そっと静かに眠らせといてやってくれよな。
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