ぼっちザうぉっちゃー

ブラックアダムのぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

ブラックアダム(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

『シャザム!』を観ていなかったことに、2作目の予告が流れたとき気づいて不安だったけれど、全然大丈夫だった、と思う。(気付くべきところに気付いてない可能性はある。ばりばり「シャザム!」言ってたし無関係ではないのだろう。)

全体的にユーモラスな雰囲気が印象的で、存在自体がコメディなドウェ、もといブラックアダムはさておきJSAの面々やパンピー家族、そして敵さんまでも小ボケをかましてくるので全編わりと笑える。
特に秒で単身一個小隊壊滅させたバケモン歩いてきて、大至急バンのドアガラスくるくる上げるのが一番笑った。パワーウィンドウだったらそれはそれで面白いんだろうけど、スイッチ一つよりやっぱ手動だからこそ生まれる、あまりの焦燥に失う表情とそれでも健気に危機回避のため激動する手のアンビバレンスが最高に軽妙だ。

そして登場人物に関して言えばまずブラックアダムが意外と話通じるやつでよかった。ドアの概念はまだ把握不足だけれど、ベッドに腰かけてガキとお話するくらいの普通な距離感。まぁ神だからべらぼうに強いんだけれど。あとドウェインの肩筋がすごいん。
ただ個人的には、そんな力こそパワーな主役とか“友よ”的ダンディと正義の金色おじさんたちより、先輩らに置いてかれて「うちらどうするよ?」みたく顔見合わせる新人二人が好きだった。どこぞの「俺ちゃん」ならぬ甥ちゃんスマッシャーは愛嬌がいいし、もみあげくるりんな天才サイクロンは華やかでビジュが良い。二人のおかげで暑苦しさが和らぐライトな「抜け」ができて、少しのオアシスみたく感じた。

アクションはもちろん楽しいんだけれど、殺す殺さないで内輪揉めして色んな意味で、なにコイツらな瞬間はあった。一応ヒーローアイデンティティに関わる大事な倫理的な部分だから分かるけれども。
あと結局指名手配されてる母親は何者だったんだ。
あとあと軍に圧制されてる状況はどうなったの。ブラック参上してワンパン解決でいけたんか。というかそもそも、これはDCU全体の世界観についてだけど、MCUに比べてちょっと現実との乖離が大きい感じがする。ある程度現実の文化に則してはいるけども。今作の舞台にしてもなんだか辺境都市でありつつ、フライバイク飛び回るような発達したスラムみたいでもあるというような奇妙な雰囲気だ。
JSAの在り方とかスースクを認めるようなところもみると、実際よりかなりろくでもないというか、歪な世界なのかもしれないな。
まぁそういうのも含めてこれからに注目したい。個人的にはアクアマンの2作目が一番楽しみ。今回のミッドクレジット差し置いてあれだけど。だって今回のあれはなんかもう画面が脳筋過ぎて笑いが先に来てしまったんよ。夜の静かな雰囲気なはずなのにひたすらうるさい。濃い。ケツアゴとスキンヘッドが。

関係ないけど、バンから『ベイビー・カム・バック』が流れるの聴いて、急いでミカエラを追いかけたくなりました。