セッションの狂気性をララランドを超える壮大なスケールで描いたとんでもない映画でした。
公開初日にDolbyスクリーンにて。
とにかくマーゴットロビーが素晴らしいすぎる
ブラピの哀愁演技ももはや巧み
映画は演劇などエスタブリッシュメントへのカウンターカルチャーとして、
市民のためのエンターテイメントであった
ハリウッドを拠点としたその文化は市民の夢の具現化であり
その大きな物語の一部に加わることを多くの人が望んだ
しかしその裏舞台は狂気
人間の生が剥き出しにされるパーティーも、映画のために文字通り命がけで行われる撮影現場もとにかく狂気
思わず映画館で観ていても笑ってしまうほどの狂気
いつか破滅することがわかっているかのように一瞬一瞬を全力で生きる人たちのエネルギーにとにかく圧倒される
やがて映画も「洗練」されエスタブリッシュメントたちの食い物にされるが、
その流れに取り残されて人生から降りる選択しかできないもの
自分の命に従いコントロールから逃れ続けて破滅に向かうものなど
儚くも激しいそれぞれの人生の物語が進んでいく
映画という文化はこんな起源を持っていたのか
3時間という長時間だが、
全く飽きることなく食い入るように観てしまった
途中で入ってくるエピソードもいちいち狂気じみている
特に終盤のトビーマグワイアのくだりは気狂いじみている
一日経っても結局何を見せられたのか消化できないままに余韻が残っている
※「雨に唄えば」を観ての追記
翌日に数十年来気になっていて観ていなかった「雨に唄えば」を初視聴
なるほど、かなりこの映画のオマージュが入っていたのですね。
その上で「こんな綺麗事じゃなぇだろ!」と清濁の濁の部分を存分に吐きかけ、
ニューシネマパラダイスばりの映画愛で包み込んだのかこの作品なんだなぁ、としみじみ