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バビロンのkaoruiのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.5
群像劇が撮りたかったのだろうけれど、マーゴットロビーの魅力に取り憑かれ、全編彼女でいっぱいの作品になっている。字幕係のエピソードもトランペット奏者のエピソードも、なんならブラピのエピソードでさえも(失礼)要らない勢いだ。僕はもちろん全く文句なく大満足である。

登場からラリって悪態を突きながら溺れながら踊り狂う冒頭のクラブのシーンの圧倒的熱量!
そこからのふた粒だけ涙を流す天才女優ぶりを壮大なカタルシスの中捉える。
このシーケンスをピークに置き、トーキーの誕生から物語が悲劇になだれ込んでいく様はややステレオタイプかもしれない。ところがマーゴットが暗闇に消えお尻も痛くなってから弛緩するように後日談が始まる。チャゼル監督、やっちゃったかーと思った。いえいえとんでもありません。
全ての映画を支えてきた人々、映画が大好きで生きる勇気を映画から貰ってきた僕たちへのチャゼルからのメッセージが届けられるのだ。
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