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バビロンのGAOのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.7
良かった。映画の歴史の中での栄枯盛衰。
表現が…オシャレな中で汚い。グロいのばっかり。でも、明暗がうまく表現してあってなんとも言えない感情に。デミアンチャゼル監督らしい皮肉を混ぜながらも映画の歴史良いよね的な感じ?センスとメリハリが良い。パーティーが全然楽しそうじゃない描き方。多分意図して。
実在した俳優達がモデルって後で知ったが、妙にリアリティがある人々でみんないいキャラだったから納得。

あと、バビロンの由来。聖書中のバビロンからかなと思ってたけど、昔の映画からの由来もあるのね。こちらは見たことなかったから見ようかな。
まぁでも、聖書中のバビロン的な意味にも当てはまる感じ。

映画初期のテキトーな感じや、フィルムの中で「成立していれば良い」って感じは今もちょっとあるよね(業界内で)どさくさに紛れてというか。
その、表面を取り繕う感じで色んなことが良くなったり逆に悪くなったり。
ばーっと勢いでスターになる者も居れば、シューっと衰え去るものもいる。
サイレントからトーキーへの過渡期の中で。

このやりとりが色んな所で何百回も何千回も繰り返されてる。忘れ去られるものも居れば、思い出されるものもいて、とりあえず諸行無常、栄枯盛衰って感じ。

まぁ、長い。色んな展開がてんこ盛りなので。バタバタしてる。
あと、どんちゃん騒ぎの描き方がエグいのだが、マーゴットロビーの美しさで半減されるという笑。マーゴットロビーの演技すごくて、こういう役柄にはぴったりだ。あのパーツの大きな美しい感じが。

そして、ああ、人生とは…みたいな感じになる。
主人公の彼は初めに言ってた夢を叶えて、叶った先でまた別の人生を歩み、老いていく。

何回か思い出して余韻に浸っております。
誰にも感情移入できないからこそ、俯瞰して全体の流れが見れて、こういうもんだよねってニヤってなる。

監督の女性観、落とし所、ララランドの時と同じ感じね。なんかトラウマでもあるのかしら笑。
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