しょーご

バビロンのしょーごのネタバレレビュー・内容・結末

バビロン(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

決してつまらないわけではないのだけれど、昨年の『ノープ』、タラちゃんの『ワンスアポンアタイムインハリウッド』しかり、映画史を絡ませた映画内映画はある程度映画史を知っていないと120%濃度で楽しめないのがなんとも悔しい。



栄枯盛衰、無声からトーキーへの移行期における各々の葛藤はこの作品で引用以上の扱いをされている『雨に唄えば』や『サンセット大通り』で描かれていたとおり。ただびっくりなのは『ジャズシンガー』を見ていた観客が手を叩いて大盛り上がりしていた点。気になって調べてみると、当時劇場で鑑賞していた淀川さん曰くこれは嘲笑の盛り上がりらしい。なるほど、それなら大納得(笑)。よく言われる『ラ・シオタ駅…』を見た観客とはまるで反対のリアクション(笑)。


個人的に冒頭のパーティ以降、中盤、退屈気味だったものの、途中のお金を返しにいくくだりあたりから、純粋に楽しめました。あそこのプロット完全に『ブギーナイツ』すぎませんか。唾吐きおじさん→爆竹ボーイの共通性を筆頭に、敵要人→奇妙な笑い方、主人公→帰りたい、友人→謎に帰らない、そもそも届け物をしたかっただけなのに謎展開に巻き込まれる、最後銃撃を避けながら車で逃走。と完全に一致…。


ここからの逃走劇は好きでそれ以外のシーケンスもところどころ好きなとこあるんだけど、やっぱ全体的にはめちゃー好きとはなれず、あと少し雑。


けど、アフロビート感ある音楽が何よりも最高でした。そのノリノリな音楽に合わせて最後に過去の名作の決めカットたちがフラッシュバックするあたりはもう謎すぎて1人でニヤニヤ笑ってました。そしてそして、その中でもナイスな点は『女と男のいる舗道』で見せたあの劇場鑑賞しながら涙を流すアンナカリーナをしっかり決めカットとして見せた後、再びマニーのカットに。このマニーが泣きながら最後微笑むんですよ。これを見て改めてアンナカリーナの凄さを認識しつつも、この画の構成そのものがものすごく魅力的なんだなあとも感じました。とても良かった。



エンドロール、前のカップルがイチャイチャ始めて、いつもなら気になるところですが、本作中の最後にも劇場でイチャイチャするカップルいましたね。なんだか、これもひとつの映画文化なんだなと思え、この作品の一部かのように感じれました。が、!!スマホつける輩だけは許せない。文化じゃねーから!!



memo

動く馬
月世界旅行
ラ・シオタ駅
ジャズシンガー
アンダルシアの犬
雨に唄えば
女と男のいる舗道
ウィークエンド
仮面/ペルソナ
2001年宇宙の旅
ターミネーター2
マトリックス
アバター


個人時にはここにノーラン作品入ってきてもいいんじゃん?と思ったけどダメ??それかララランド入れちゃえよ!
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