デイミアン・チャゼルによるハリウッド栄枯盛衰残酷物語。
ハリウッド黄金時代のサイレントからトーキーへの移行期の苦しみやら問題やら興味深かったですね。
映画の社会的な位置が上がり、野生味や猥雑さが失われて白人上流階級の物となり管理されていく時流に乗れず消えていった人々の悲哀がイイです。
日本でもトーキーになったら観客の想像していた声じゃなくて苦労した坂東妻三郎や消えゆく活弁士で一本作れそうです。
終盤の地獄めぐり的な露悪的なフリークスショーのシーンが最悪で最高でした。
かつてはエンターテインメントの中心だった彼らの現状と自分達の様な映画業界人を重ね合わせる絶望感と恐怖感があってイイですね。
モデルになった人物がいながら架空の人物達を主役にしたのは今作があくまでデイミアン・チャゼルの「こうであって欲しい俺の考えたハリウッド黄金時代」だからでしょう。
まあなんでしょう、リアルなプロレス界ではなく「プロレススーパースター列伝」が本当だったらイイな的な。
ゲロと糞尿に塗れた退廃的すぎるオープニングはそりゃヘイズコード出来るわ!と言う感じで良かったです。
映画なんて大嫌い、大嫌い、大好き💕なラストは「ニューシネマパラダイス」よりも清濁飲み合わせていて好きですね。