クリーム

バビロンのクリームのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.6
確かに豪華だし、見所も沢山あったけど、ピンと来なかったし、長く感じてしまった。完全に好みの問題。華やかなハリウッドでスポットライトを浴び、時代の流れと共に置いて行かれるなんて、いくらだってある話。今更な感じがしてしまった。
1920年代後半、夢に溢れる青年マニーと、意気投合した女優志望ネリー。サイレント映画での大物俳優ジャックとの出会いで、マニーの運命は大きく動き出す。一方、恐れ知らずで魅力的なネリーは人々を虜にし、スターの階段を駆け上がって行く。が、サイレント映画からトーキー映画へと革命の波が業界に押し寄せ、3人の運命は変わり始める。



ネタバレ↓



豪華で奇抜な映像は確かに面白かった。ゾウの糞を浴びる男、乱交、ドラッグ、チ○チ○の形のホッピングは、笑った。白い液体まで飛ばす下品さ。何でもありのパーティー。当時の滅茶苦茶なハリウッドの様子を描いている。そして、やたら人が死ぬ。パーティ会場では若手女優が太った男と変態プレイ後に死亡。制作現場でも群衆戦闘シーンの撮影中、本当に槍が刺さって亡くなるエキストラ。トーキー映画のスタジオ撮影では熱中症で倒れて亡くなる男。常に死と隣り合わせの世界って事なのだろう。
皆、トーキー映画に乗ろうとして、それぞれ頑張るも空回り。
ジャックは、自分が出演した映画で、観客が彼を笑っているのを見て、評論家のエリノアにその理由を聞きに行くと、彼女は「時代が変わっただけ」「あなたの時代は終わったの」と言います。エリノアの言葉が全てだと思った。ジャックは、自殺。ネリーは多額の借金を作り行方をくらまし、後に遺体で発見された。ネリーと一緒に逃げる予定だったマニーはメキシコに逃げ、家庭を築き妻と娘と共に後に撮影所を訪れ、通りかかった映画館で映画を観ながら涙するのだった。

サイレントからトーキーへの移行は、映画史における大きな転換だった。その難しさを観れたのは感慨深かった。映画は常に変わって行く。マニーは最後に映画を観ながら、100年以上先も、映画は無くならないと確信したんじゃないかと思います。
ネリーの借金返済に訪れた、マフィアのボスらしき男がトビー·マグワイアなのだが、凄くヤバ~い感じに仕上がってて良かったです。この感じアリだと思います。
クリーム

クリーム