Diamante

バビロンのDiamanteのネタバレレビュー・内容・結末

バビロン(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

当時の様子として、怒号飛び交う盛大な同時撮影や酒池肉林のパーティー等、正にバビロニア繁栄をなぞらえた様をグロテスクに映しており、トーキー移行の現場での苦労の様子も単純に知識として共有するだけで楽しかったです。

しかし1920年代の大恐慌と共にサイレント時代の終了の中で、苦悩する役者の中でもブラットピットの哀愁感の演技が凄く、映画全体としてはそこが一番印象強く残りました。

終わりを映す今作とは対照的に、新たな始まりを映す「雨に唄えば」を観た主人公の涙は過去を思い返す悲観ではなく、時代の一部として駆けてきた事は無駄ではなかったと名作を通して確信出来たシーンだと解釈しており、その後の映画史に対するオマージュも「雨に唄えば」の様に要所で影響と発展を与えてきたであろう作品の羅列が映されており、感慨深くなる好きなラストでした。
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