このレビューはネタバレを含みます
出だしタイトルまでの展開は、
フェリーニへのオマージュなのかと思った。イタリア語を操るブラピはさながらマストロヤンニのよう。
その後は夢と退廃と享楽に彩られたハリウッドの内幕。これでもかと言わんばかりのド派手なお祭り騒ぎの3時間は、正直過剰摂取で辟易するほど。
ただそこで語られるのは、純粋なる映画愛。
作り手、役者達への愛と言ってもいい。
サイレントからトーキーに移り変わる映画作りの変遷と時代に振り回される映画人達の苦悩は意外なほど素朴で感慨深い。いずれ滅びる命にしろ、フィルムに焼き付いた痕跡は作品に残り続ける。ラスト、ゴダール作もチョイスするとは。
ブラピ主演の映画かと思いきや、
本作は完全にマーゴット・ロビーのぶっ飛んだ演技に光が当たる。
派手なのに、何処か苦労人気質な役どころが彼女にはピタリとハマる。
トビー・マグワイアの気味悪さも天下一品だったな。