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デヴィッド・ボウイ 最初の5年間のsのレビュー・感想・評価

3.5
トム少佐を経て栄光のジギーを葬り、殻を破ってdavid bowieに戻るまでの“最初の5年間”、BBC制作のドキュメンタリー。ソロアルバムを発表するもヒットせず音楽活動を休止、パントマイムやダンスなど舞台での表現を模索しながら過ごした辛い時期に出会ったバレエダンサーのヘルミオーネと恋に落ち、3ピースバンドTHE FEATHERSを結成、同棲するも転機が訪れ22歳で大失恋。当時の彼のインタビューや彼の仲間たちが当時の事を赤裸々に語る現在のインタビュー等かなり貴重な記録が多い。別れた直後に作った1969年のSpace Oddityが大注目されるわけだけれど社会的にも感情的にも安定しない不安な心、子供の頃から感じていた孤独感がここではっきりと姿を現す。喪失の負のエネルギーをそのまま負として持っていくのではなく、負のエネルギーを使って自分を傷付けながらも新たな物を世に生み出す。これができるのが芸術家だよなーと妙に感動し泣きそうになった。初期のdemoにはツインリードボーカルの一人としてハッチが参加していて久しぶりに聴いたらやっぱりdemoいいなと思ったし、『今夜はもうただのdavid bowieだ』『今後の計画が山積みだ』と言ってrebel rebelで終わるエンディングも最高。久しぶりにいい音楽系ドキュメンタリーを観たぞ。
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