ミク

インディペンデントリビングのミクのレビュー・感想・評価

5.0
「障害があってもなくても皆同じ人間」と一括りにしてしまうことへの違和感。もちろん同じ人間であることは間違いないのだけれど、あまりにも障害者の置かれている環境が、いわゆる一般社会とは違いすぎる。

障害者の普通と健常者の普通。この間には、いくつもの壁や溝があり、その違いをたくさん時間かけて知っていき、壊して行くことが共存への道なんだと思う。

介助者として、障害者自立生活運動に関わるようになり、健常者アライの自覚を持つようになってきた今、"障害者"という言葉の持つネガティブで否定的なイメージを如何にポジティブで肯定的な印象に変えられるか、責務が問われている。

常に、自分には何ができるのか?自問自答の繰り返しの中で、まずは自分自身の持つマイノリティ性と向き合い、"ありのまま"を受容する覚悟を決めることからだと思う。そうやって考えられるようになったきっかけは、障害者自身が自分らしさの追求をし、試行錯誤しながら他人の力や手助けを沢山借りて、自立生活している姿を見ていると、人ってこうやって生きていけばいいんだって正解が見えたから。

その正解がいつも万事解決という訳ではないけれど、一緒に模索しながら進んでいける仲間がいることの心強さは何ものにも代え難いものがある。仲間ってクサイ言葉なような気もするけど、お互いに弱さを見せ合えたり、頼りあえる関係って唯一無二。そんな人たちに出会えるのが自立生活センター。

この映画に出てくる自立した障害者の日常を一人でも多くの人に見てもらいたい。それぞれの中で、障害者に対して持ってる負のイメージが少しでもプラスに変わることを願って!決して、彼らは思いやりや優しさを求めてるのではなく、個人に合った当たり前の支援が必要だと言うことが伝わると思う。
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