まり

ウィッシュ・ルームのまりのネタバレレビュー・内容・結末

ウィッシュ・ルーム(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

望んだものが手に入る部屋。
家の外には持ち出せないというルールがあるとはいえ、家の中で贅沢三昧する分には寿命が減るとか特にペナルティもなさそう。
けれどそんな贅沢をずっと続けていても、本当の意味で心が満たされることはなく。
欲望を満たしても心は満たされない。
それゆえにケイトが望んでしまった“本当の願い”とは……。
マットはシェーンのことを“虚構”と言いますが、シェーンには心があって。
何故自分は外に出られないのか悩み、欲望も持つ。
それは歪んだ欲望だったけれど、シェーンの最期を思うと夫婦の罪深さを思わずにはいられません……。
そして、ラスト。
妊娠したケイトの子どもの父親はマットなのかシェーンなのか?
シェーンである場合、その子どもはウィッシュ・ルームの外の世界で生きられるのか?
という疑問を残すシーンで終わりました。
虚構とは何か、そこに心や愛があるならそれはもう虚構とは言えないのではないか。
ただの虚構ではないからこそ悲しい結末を迎えてしまったのではないか。
いろいろ考えさせられる中、部屋の設定などシチュエーションスリラーとしても楽しめる作品でした。
まり

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