のすけ

星の子ののすけのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.0
扱ってる題材は面白くて観たくなる映画なのだが、脚本が甘過ぎ。結局何を言いたいのか分からない。
もったいない。宗教と家族。かなり良い題材なのだが。
宗教は自由だが、結局のところ心が不安定な人が洗脳されてしまっているケースがどうしても多いのではないかと感じる。
一度洗脳されると中々抜け出せない恐ろしさ。
途中大友康平が嘘を暴くが、本人たちはムキになって反抗する場面がある。
なぜかというと、自分の過ちを認めることは、これまで長い間費やしてきた時間、お金、生活、己の精神…すべてを否定することであり、言ってみれば自分のこれまでの人生そのものを全否定することになるから。
そんなこと恐ろしくてできない。無意識がそれを絶対にさせないよう抵抗する。完全否定してしまう。子供ですら(ナイフを持ち出して抵抗)
これは宗教じゃなくてもあること。何か一つをロックオンしてしまうと、他のことが見えなく聞こえなくなってしまう。
その期間が長くなればなるほど、それを否定することが難しくなっていく。
物事の本質を見る力、自分自身を常に後ろから見る力、間違ったと思ったなら、すぐに登ってきた階段を飛び降りることができる力…私達一人一人にそういった力が必要だったりすると思う。
ラストの夜空の引っ張り方から、セイ・エニシングのようなエンドロールへの入り方を期待してしまったが、さすがになかった…