向日葵

星の子の向日葵のレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
4.5
親子関係や家族について、周りに上手く相談出来ない心の悩みを抱えた事のある人間は響くものがあるだろう。

大森監督の描く、親子の間での矛盾する不器用な愛が大きくなり、孤立する家族の在り方を表現する作品がとても好き。

家族という内なる世界と外の世界を出入りするちーちゃん。外の世界から見ると自分の内なる世界(家族、両親)が異常であるという事は理解している。それでも私は両親の娘であり周りに悪く言われるのはとても苦しい。悲しい。それが好きな人からだと尚更。

中学三年生という子供から大人の人格を得ようとする不安定な時期に、内なる世界にいる両親を想いたい気持ちと外の世界に馴染もうとする狭間で揺れ動く。

強要されないからこそ、どちらの世界にも属さないことが許されている中学三年生のちーちゃんの不安定な心が、宗教を信じる親と宗教を色眼鏡で見る他社が極端な形で分かりやすく表現されている。



両親が大好きな訳でもない。
家族が正しいと思っている訳では無い。

自分にとって"何を信じ何が正しいのか"を
周りに何となく流されて決めている人たち、
苦しいけれど見つめなければならない人。
私は後者ができる人間が好きだ。


教室のみんなが見ている中、突然好きな先生から大声で突然非難され、親を馬鹿にされる様子が流れた時は、芦田愛菜ちゃんの演技の上手さからか心が締め付けられその場にいる感覚になりました。とても悲しく怖くて一緒に涙が溢れました。
向日葵

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