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星の子のenniのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
3.7
家族の存在や思考は、子供にとって目の前に提示される一番初めの価値観であることが多い。
周りからすると違和感を覚える環境や関係だとしても、子供にとってそれが最初の価値観であり、血となって自分の中に流れる限り、そこに違和感は感じない。

しかし、自我が育ち、触れる人が多様化し、自分だけの無垢の価値観が疼き始めた時。一歩後ろに下がって自分を客観視した時。その時に抱く、か弱さと儚さと強さが共存する違和感。
素直にその価値観の疼きに見逃さず、立ち止まって向き合う主人公が良かった。特に否定するでなく、当たり前に友達と接してくれる友人たちの存在も良かった。

知らない役者だったら、もっと入り込めたかもしれないとか思っちゃった。芦田愛菜ちゃんを否定するつもりはないです。逆に彼女の思考深さゆえの演技かなとも思う。さすがすぎた。
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