竜どん

ジョゼと虎と魚たちの竜どんのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)
2.8
原作・実写版とは全く違うテイストで彩られた作品。退廃的かつ生々しい性的な要素はばっさりカット。原作の設定のみを残した爽やか青春オリジナルストーリーとして観た方がいい。ジョゼのロリィな可愛さ(あたいって…笑)やツンデレ具合・コミュ障っぷり、恒夫の夢追い人感・夢破れ感、無情で純粋な子供達等々実写では重く(寒く)なりそうな要素もアニメーション表現の方が無理無くバランス良く描けている気がする(この物語ならという条件付きではあるが)。
比較的カッチリした描線のSF硬派作品を作るイメージの強いBONESにしては珍しくフワッとした作画も本作には合っているしファンタジーな描写も秀逸。特に主人公二人が海でじゃれ合うシーン等はアニメならではの美しい表現で自然に感情移入できる。
ジョゼの身体的欠陥とコンプレックス・恒夫の重症事故と苦悩と、障碍者と健常者の目線の違いがメインテーマとなりそうだが、それは起点に過ぎず本作の中心は、ヒロインジョゼの成長と前進、夢と希望を掴み取る物語。予定調和ですがホッとできるラストに素直に感動。純愛モノなら着地点はやっぱりココしかなかったかなと。実写版みたいなオチもアレはアレでありなんだろうけど本作でやったらモヤモヤしそうデス(-.-)。

追記
他の人も書いてますが、ジョゼのイメージが『とらドラ!』の逢坂大河と被りますね。小柄で性格が似通っているのが強い理由だとは思いますが、題名に虎が入ってるってのもあるのかな笑
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