ヨダセアSeaYoda

セイント・モード/狂信のヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

セイント・モード/狂信(2019年製作の映画)
3.8
"Please don't let me fall again…
I'll do anything. Please guide me."

"Never waste your pain. Never…waste…your pain."

【STORY】
 病気で家に篭っている貴婦人アマンダの元へ、敬虔なキリスト教徒であるモードがナースとしてやってくる。無神論者のアマンダに神が示す道の素晴らしさを幸せそうに説くモード。
 アマンダも快くモードに接するが、ある日アマンダの家に別の女性がやってきたことをきっかけに、モードの精神状態が崩れていく事態に…


【一言まとめ】
●内容は薄めだけど狂気に浸れれば御の字
●映像表現がドツボ!!
●陶酔・狂気。主演のモーフィドさん凄い!
●痛みの表現もしっかりエグい。


【感想】
《"日本未公開のA24"3貫》3貫目

 絶対好きな人は好きなタイプの作品です。
 正直、『ウィッチ』や『CLIMAX』、『ミッドサマー』などと比べてしまうと脚本の薄さやコンセプトの独創性の少なさが目立つ部分はあるのですが、それでもやっぱりその辺りのA24ホラー/スリラーが好きな人には好みの作品である事は間違いないでしょう。
 しっかり狂気に浸れる作品だったので、それだけで御の字です。

 そんな狂気を駆り立てる、映像表現がかなりツボでした。閉塞感のあるセットや、傾いたり被写体が映っている画面の面積を極度に狭めたりといった撮影が、モードの視野の狭まった精神状態をかなり表現しているように感じました。
 寒気がするような効果音もゾクゾクしたので、是非劇場公開してほしいなぁ。

 モードを演じたのは、『クロール 凶暴領域』で主人公の妹を演じたモーフィド・クラーク。絵画のような美貌だけでなく、神に陶酔する恍惚とした表情や動き、そして視線で見せるイかれっぷりなど、本当に演技が良かったです。

 痛いシーンが容赦なく痛そうだったのも印象。特に "靴" のくだりはモードと同じような声が出そうな気分になりました。

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観た回数:1回
直近の鑑賞:海外版BD(21.05.29)
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