EDDIE

プロミシング・ヤング・ウーマンのEDDIEのレビュー・感想・評価

4.6
罪の意識がない人なんていない。
だけど絶対に許せないことはある!
大切な人を失ったキャシー。将来有望ながらも医大をドロップアウト。
彼女の復讐は続いていた…終盤の展開は圧巻!瞬き禁止のクライマックスを目に焼き付けろ!

クライマックス観ている最中の私。

「え、マジ!?そんな展開!?どうすんのこれ?どうやって終わらすの?……うおっ!マジか!!すげーわーーー!!これはすげーわーー!予想外やわ!ってか斬新!これは脚本賞やな」

でした。ガチで震えたし涙出ました。

キャリー・マリガンがアカデミー賞主演女優賞ノミネートし、監督のエメラルド・フェネルは脚本賞を受賞。
英国アカデミー賞でも作品賞と脚本賞のW受賞と下馬評はかなり高かった作品です。

マリガン演じる主人公のキャシーことカサンドラ・トーマスは医大時代の親友ニーナをとある事件で失っており、その心の傷を埋めるかのように世の中の軽薄な男どもに制裁を加えていました。
この作品の凄いところはスリラー映画として機能しながら、痛々しいグロや暴力描写は使わず、とにかくキャシーの相手を愚弄する口撃が中心にある点です。

もちろんどんどんやってしまえ!と暴力に訴えることに快楽や快感を覚えることがありますが、本作では極力それをしません。
だけど、その相手を翻弄するキャシーの手口がお見事で感心するしスッキリするんです。

そして、キャシーは性欲を節操のない形で満たすクソみたいな男どもを手玉に取る一方で、男に常に警戒心を抱きながらも恋をするんです。
この恋愛ですらクライマックスに上手い具合に絡んでくるんで、もはや脚本に対して何手先まで読んでるんだと感心するしかありません。

個人的には本作を観る直前に観たマリガン主演の『17歳の肖像』で父親役していたアルフレッド・モリーナが、割と重要な役で登場したのは嬉しかったですね。
決してエピソードとして繋がりはなくとも、同じキャストでの繋がりを見つけたりすると嬉しいものです。

予告やポスターで象徴的なキャシーのコスプレナース姿。なかなかにエロい衣装ですが、どこか不気味さも醸し出しており、この場面は本当にいい意味で裏切られました。

初見の感動は初見しか味わえません。
物語の結末は是非とも劇場で味わっていただきたいものです。

※2021年新作映画97本目
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