mao

プロミシング・ヤング・ウーマンのmaoのレビュー・感想・評価

4.5
観て数日感想がまとまらないくらい食らってしまって、怒りと悲しさでおかしくなりそうだった。
終始あの時から取り残されてるかのようなキャリーマリガンの佇まいが見てて痛々しく彼女を取り巻いてる半端ない孤独感がいたたまれなかった。後半の展開は私の覚悟が足りなかったくらいフルスロットルに駆け抜けてくれて、ラストも納得いかないと思いつつあのような結果を持たないと動かない現状の皮肉でしかない。
観てる誰もが加害者と被害者どちらにもなり得る引き込み方は、怖いとか通り越してぶん殴られてる感覚。
トラウマをフラッシュバックさせる可能性もあるし事件の内容についてはこちらの想像の先。全体的に賛否両論なのも分かるから映画として面白いとか簡単に言えないけど、私の中で今年一番かな。
けど一番悲しいのはこの映画のレビューに、酔っ払って家に着いて行ったら仕方ないとかそう思われても仕方ないとかあり観終わった後もずっと心が痛い。この映画を観た後にそれを言えてしまうのは、一生分かり合えない隔たりを感じる。現実こうなんだろうな。
何年か前に高速バスで隣に座ったおっさんが30分以上私の体を触り続けてきて、声も出せず怒りで吐きそうな所で運転手さんがマイクでおっさんに怒って移動させた事を思い出した。触ってる手に結婚指輪があって、こいつは何のために生きてるんだろうと幽体離脱しかけた。何に関してもやられる方が悪いって理論を通す奴は関わるだけ無駄なので離れましょう。
この映画のおかげで私の気持ちが少し浄化した。エメラルドフェンネルに感謝したい。
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