あん

プロミシング・ヤング・ウーマンのあんのレビュー・感想・評価

4.3
映画として面白かったし、音楽やキャシーの可愛いファッションも良かったし、ラストもスカッとはしないけど溜飲は下がるし、、観て良かったと思う映画でしたが、観終わってからしばらく胸が痛かった😱

これでもかっていうほどクズな男の醜悪さが描かれていますが、性犯罪に巻き込まれるのはやっぱり女性が多くて、ほとんどの女性が思春期の頃から大なり小なり性的なことで嫌な思いとか怖い経験をしてると思うんですよね。それで自衛意識が育つと思うし、親も気を付けろって言うし、自分で身を守るようになる。
でも女性側が自衛していなければ犯罪に巻き込まれるのは自業自得だってのはおかしくて、やっぱり加害者が悪いんです。作中で女友達、加害者の男子学生、大学長がそれぞれ、泥酔してたから、子どもだったから、同じようなことは沢山あったから、と言ってるのが本当に胸糞だった。男はみんなクズ、じゃなくて、男女関係なくクズな人間はいる。勿論女性が注意すべきことはあるけど、犯罪は犯罪だと反省して裁かれなければ。

だからと言って、キャシーのやってることは正しいと思えないし、ニーナの母親が言うように前に進んだ方がいいと個人的には思う。でも、多分キャシーはああするしかなかったんですよね。何でそこまで...とも思うけど、でも、人の痛み苦しみなんて他人にはわからないし、自分が傷つかないことも他の人にはずっと残る大きな傷になることもある。他人から見たら理解できないことに執着してしまうこともあるし。それが人生だよなあって、この映画を観ながら思った。そして、キャシーはその傷を癒せる人に出会えなかったのが残念だった。

結末でも描かれているけど、性差はある。でもその差は単なる性質の違いで優劣ではないはずで、昨今のやや過剰なポリコレ至上主義はどうかと思うけど、男女間のみならず他人との違いを理解して周りの他人を尊重することは大事だなと思いました。
あん

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