Koshii

プロミシング・ヤング・ウーマンのKoshiiのレビュー・感想・評価

3.8
こういうエンタメってありなんだ!とエンドロールを観ながら噛み締めていました。

気が付けば最近、主人公が女性の物語をよく鑑賞しており、なんとなくそれぞれのキャラクターを比べたりして楽しんでます。

どの女性キャラクターにも言えることなのですが、迎える逆境を「成長するための糧」にしちゃう程の勇気と信念を持っており、そのカッコよさに痺れます。


さて、今回の主人公キャシーはどういう人物かと言いますと、ある理由から医学生を辞めることになり、前途有望だった医者の道から外れる事となります。

過去を精算するため、そして自分を許すため、イカれた奴と思われようが、クールにもがきながら、信念を貫き通します。

劇中で幾度と「サイコ」と揶揄されるキャシー。そのサイコっぷりは、観ていて清々しいほどで、カタルシスすら感じてしまいます。

タイトルの意味が分かる瞬間、最高にクレイジーなパンチを貰った時のように興奮することでしょう!!


以下、ネタバレを含みます。












フィンチャーが手掛けるスリラー作品のような雰囲気や、DCシリーズのハーレイクイーンの魅せる華々しい乱暴さを感じさせるほど、キャシーは非常に魅力的なキャラクターでした。

女にだらし無い男に制裁を加え、もはやそれを生きがいにしており、冒頭のシーンでもスッキリとした表情を見せるキャシーに重なるように華々しくタイトルカットが入るため、なんだかヒーロー誕生の瞬間を観ているような高揚感がありました。

ストーリーのテンポが比較的ゆっくりの割には、説明シーンが短く少し物語が分かり辛く感じる場面もありましたが、狂気じみた展開に釘つけにされるので、あまり気にならなかったです。


そしてなんといっても、ラストシーンが最高で、震えながらもそのサイコっぷりを堪能しておりました。結婚式をぶち壊し、しっかりと復讐を遂げてなお、「これからだよ!」とメッセージが死人から届くなんて、ヤバい以外のなんでもないのです。


キャシーは死後いっそう「プロミシング・ヤング・ウーマン」としてアル、ライアン達の頭の中に刻まれ、一生忘れることの出来ない人物へと昇華したのです。怖っ!!!


p.s.製作にマーゴット・ロビーが携わってたんですね!
Koshii

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