ちむら

プロミシング・ヤング・ウーマンのちむらのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

見てる間中胃が痛かった、恋人とハッピーに結ばれて復讐をやめて前に進むことを決意した主人公のところで良かった〜って思ったらあと40分あって絶望した。

復讐者の話というのは過去によって人生が囚われてしまう悲しさがあり苛烈さがあり、そこが見どころだと思う。この作品には期待してた以上のそのエッセンスがあり良かった。自分の身を滅ぼしてもなし得たいことがある、それが何も生まなくても、そうとしか生きられなくなってしまった傷がある。主人公とニーナの関係性は間接的にしか提示されないが、開示される情報と主人公がどうしても復讐に囚われてしまうこと、その行動からどれだけ大切で特別だったかが伺え想像できるので語りすぎないバランスが良かった。

男性の復讐者が主人公の話は映画や漫画でよく見るが、そうとしか生きられない孤独や傷の不器用さや痛ましさがハードボイルドに描かれることが多い。今回この作品が面白いと感じたのは女性が主人公で、「こんな道理はおかしい」と真っ直ぐに突き進む姿がポップに皮肉たっぷりに描かれているところ。その真っ直ぐさ故、孤独になり社会から浮く。

彼女は自分の生き方を貫いた、それが悲しくて強かった。親の気持ちを考えるともうしんど過ぎる......
ちむら

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