okkinanekoto

轟音のokkinanekotoのレビュー・感想・評価

轟音(2019年製作の映画)
3.9

安楽涼さんの関わる作品が気になる理由がきょう分かった気がする。それは、舞台挨拶でおっしゃっていた「ウソがない」というところなんだと気がついた。
「1人のダンス」を観て、この監督はぜったいまた関西に帰ってくると期待してたんだけど、その約束を果たしてくれて、しかも神戸の街を愛してくれているようで、とてもうれしかった。

作品の感想としては、わたしがPSW(精神保健福祉士)を目指しているということもあり、誰の身にも起こりうるメンタルヘルスのリスクをまざまざと映し出しているなあ、と観ていた。
これは遠いようで意外とすぐ隣にあるリスクで、陥ったときのリカバリーの選択は、人それぞれがもっているストレス耐性や、周りの社会関係資本によって、その後の辿る道は変わってくる。そのリカバリーしうる可能性が轟音によって表現され、人間の弱さを浮き彫りにしていた。白Tシャツと黒Tシャツ、暗闇とネオンといった、視覚的な対比も美しかった。
ラストシーンは観客もパンチをもらうハードさもあったけど、あの発狂さと少しの爽やかは、演者が安楽さんだったからスッと受け入れられたんかなと、帰りの電車に揺られながらじわじわ味わっていた。
安楽さん!もっこすラーメンは店舗によって微妙に趣きが違うから、次に神戸に来るときはもっこす石屋川店をお試しください。
okkinanekoto

okkinanekoto