これは珠玉の掘り出し物でした！

スコティは24歳で性欲マックスの若者なのですが、手足が使えない障害者。ごはんもお風呂もトイレも、お母さんの手助け無しには何もできない。障害者の野球大会で自分と同じ車椅子生活の選手にめちゃくちゃセクシーなガールフレンドがいるのを見てビックリしていると、その選手が「障害者専用の売春宿」のカードをくれる。

売春宿って言い方すごく嫌なんですけど、Brothel の邦訳って、これか娼館くらいしかない。あ、風俗店？！なにが正なのかわからないので娼館を使いましょうか。

この娼館はカナダにあって、車で何日かかけていかなくてはならないのだが、スコティは看護師がいないと何もできないので、看護師、車、運転手が必要。それを全て手配するが、一人では払いきれないので、目が見えないモーと、同じく車椅子生活のマットに一緒に行かないかと半ば強引に誘うのだが・・・

まずこの障害者を演じる３人が、本当の障害者の人なのかと思うくらいリアル！！すごい！演技もすごい上手くって、３人ともほとんど聞いたこともない役者さんなのにすごい。

他の役者さんたちも全く知っている人は出ていない。だけどみんなうまくて、ギャグのタイミングなんかも絶妙だし、『アムステルダム』や『ドント・ウォーリー・ダーリン』みたいな有名な俳優が出ている映画より全然面白い！

久々に声を出して爆笑した。ってのは、このスコティって人が、障害者でありながら全く天使じゃない！めちゃ下品なギャングスタ・ラップが好きで、一級のA-Hole！バーに行っても誰かにビールを飲ませてもらえないと自分では飲めないくらいなのに、あのデカい態度は笑える。

しかし障害を持つ人の気苦労は良くわかる。みんな車を運転できない。アメリカは車社会なので、それだけでかなり動きが制限される。男同士で「ひゃっほう！」なロードトリップに行きたくても、まあほぼ家族に反対される。だけど、家族が理解があったとしても、お母さんに娼館に連れてってもらってもねえ。

「自分で独立した行動がしたい！」そんな基本的なことをするのにこんな苦労させられるなんて・・・・。と、心が痛いのと笑えるのとで退屈しないストーリー。

役者もいいんだけど、ギャグのタイミングがいいとか、ペースもダレないというのは、脚本も監督も悪くないってことだと思う。しかし誰一人として知らないし、ウィキでもあんまり情報がないくらい注目されていない。

あ、そうそう、看護師でドライバーのサムを演じる巨漢の黒人女性が、あの『プレシャス』の主演女優さんなんだそうなのですが、この人と目が見えないモーがカップルになるんだけど、このカップルめちゃ応援したくなる！太っていても中年でも、やっぱり見た目じゃないんだなあ、応援したくなるカップルって！って納得させられる。

iMDbでは、7.0/10 とやっぱ評価高くって、投稿も「意外な佳作！」というものが多い。それなのに誰も宣伝しようと思わないような作品。

でもやっぱアレですよ。有名な俳優が出ている大作とか、有名な俳優が意外な役、とかも観たいけど、いつも同じ人ばかり見ていると飽きる。あまり名前を知られていない役者さんがうまかったりすると本当に新鮮。

しかしこの映画は主演の３人が本当の障害者じゃないって批判した人がいたらしいのだが、意義あり！今回の見どころは、この３人が本当の障害者じゃないところに、役者魂を感じたんだもん。研究して練習しないとこの感じは出せないんじゃ？これこそ役者の腕の見せ所ではありませんか！

それに、障害があっても役者をしている人を探すとなるとかなり時間がかかるんじゃ？障害があってもいい役者とは限らないし。この映画、主演の３人の演技が上手くなかったら、ほんっとに白けてつまらなかったと思う。

本物の障害者の人たちを映画に出したいなら、それは良質なドキュメンタリーを作ればいいじゃないですか。

とにかくこの映画はすごい新鮮で良かった。こういう映画をもっと観たいと思う。

★★★liked it
『Come As You Are』　リチャード・ウォン監督

コメディ＆悲しいロードムービー

障害を持った3人の若者
スコッティ＆マット＆モーの童貞喪失の旅

過保護なママが自由を奪う
冒険＆友情＆ロマンス＆成長

どんな障害に直面しても、
常に最大限の人生を送れる

Trailer
https://youtu.be/IM_b2yRwvOk

• #★★★likedit
• #★リチャード・ウォン

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【Come As You Are】
★★★★☆ ４／５点。 3.5
２月５日鑑賞。
２０２２年　４８本目。
#2019年製作
#2022年映画メモ

ベルギーの実話🇺🇸リメイク版。
各々重篤な障害を持つナイス童貞ガイズが風俗で筆おろし目指してロードトリップ。

と聞くと軽い感じに聞こえるが中身は重く通説でメッセージが響く。

最後の葬式での渾身のラップはグッときた。隠れた名作。