ノラネコの呑んで観るシネマ

劇場版ポケットモンスター ココのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.6
すごくいいんですけど。
ポケモンに育てられた人間の子、ココが傷を治癒する癒しの泉を巡る人間とポケモンの争いに巻き込まれる。
これは言わば、ポケモン世界で「アバター」をやった作品。
湯山邦彦時代を含めても、シリーズ中で限りなく上位にくる秀作だ。
サトシとピカチュウは脇を固め、物語はココとポケモンの父ちゃんの絆をフィーチャーする。
人間とポケモンのとの共生の鍵を、この異種親子が握っている。
ある意味、異なる文明同士の戦いを避けられないものと描いた「アバター」より、高度なことをやってるんだな。
単純な対立と共生の物語にとどまることなく、人間と戦うポケモンの一族が、傲慢さゆえに森のポケモンたちから嫌われていたり、物語が多面的に構成されている。
本筋ではあまり触れられない、サトシの家族観なんかも新鮮だった。
トータス松本の歌が最高。
惜しむらくは、やはり「アバター」の影響が見えてしまうことで、癒しの泉に立つ巨大な樹のデザインがまんまなことや、マッドサイエンティストがほぼクオリッチ大佐なのがどうしても気になってしまう。
もう少しビジュアル面でもう少し離れられれば、文句なしだった。