いわやん

雨あがるのいわやんのレビュー・感想・評価

雨あがる(1999年製作の映画)
4.7
黒澤明が本来撮る作品でしたが、亡くなられて長年助監督をしてた小泉尭史氏が、黒澤組より懇願されての撮影。

長雨で「川止め」になり、安宿に詰め込まれてる町人達。皆、イライラして刺々しい関係に。
同じ宿にいた侍は、ふらっと出ていき帰ってきたときに多くの御馳走を持参する。それで宴会になり宿はホンワカムードに。
でも、侍は嫁に「賭け試合」をした事で怒られる。

ある時、武家の果たし合いを仲裁したところを殿に見初められ登城の命を受ける・・。

寺尾聰が侍役で、嫁を宮崎美子。
寺尾聰は。だんだん宇野重吉に似てきたなと思いました。

宮崎も、ちょっと引いた演技が良かったです。

殿さま役の三船史郎は、三船敏郎の息子で役者を辞めてましたが、この作品で復帰の準主役に。
ちょっとぎこちない演技がかえってリアルに見え、声のトーンがたまに三船敏郎そっくりで。

ストーリーは、派手ではなく上映時間も短い方ですが、さすがの黒澤組で画面の綺麗さが素晴らしいです。
水の躍動感に、森林の緑の鮮やかさ。

チャンバラ映画で、素晴らしく爽やかな作品です!
いわやん

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