自分がこういうタイプのヨーロッパおとぎ話的な映画が好きなことに気づいた。
現実とは明らかに解離されていて、人間も人形が喋ることに大して違和感も持っていないあたりから気づいたら世界に入り込んでた。
人間の怖さを動物的視点、人形視点、マグロ視点で描いていて、そもそも童話「ピノキオ」が伝えたいメッセージをすごく直接的に受け取れた。観ていないから批評できないけど、実写ディズニーとはまるで違う、はず。
好き放題して許されてしまうピノキオにイラつく場面もあったが、子どもとはそういうもので、親からも大事に育てられた子どもは自然と自由でわがままな性格に育つ。そして妖精が出てきて、ピノキオを基本的に許し続ける。しかしこれは父親しかいないピノキオにとって母なる存在であり、母とは人間にとって何でも寛容的に抱きしめてくれる存在であることを、とても繊細に綺麗に描いている。
メルヘンではあるが、それをあくまで現実的に描いていて、芸術的であった。ロベルトベニーニが演じる、社会に適合できていないゼペットもすごくよかった。
絵本のごとくどんどん物語が半ば強引に進んでいくが、それが世界に引き込む良いスパイスになっていて全然気にならなかった。
何より特殊メイクが本当にすごい。こんな特殊メイクができる現代に生まれてよかった。
イタリア映画、フランス映画もっと勉強せねば。