幼くして想像を絶するほどの苦難に面してきた、という演出なのかしらん、主人公の男の子がちょいちょい、捻くれた一面を見せるじゃないですか。
対して同じクラブで共にチェスを学ぶ子供たちと、その周囲の大人はとても素直で優しい人々として描かれてあって。
総じて心が洗われるような、美談に触れさせてもらったという読後感を得られはするんだけれども。
主人公が自らの捻くれた言動を反省するような回収がされない、或いはまた主人公の父親が郷に入ってしかし従おうとしない、そのくせ家族思い、みたいに描かれている点がちと、気になってしまいましたよね、と。