ゆめちん

罪と女王のゆめちんのレビュー・感想・評価

罪と女王(2019年製作の映画)
3.5
罪と女王

2019年に🇩🇰デンマーク国内で数々の賞を総なめにし、アカデミー賞国際長編映画賞の同国代表となった作品。
 
児童保護を専門とする弁護士のアンネは、医師である夫ペーターと幼い双子の娘と家族4人で、順風満帆な生活を送っていたが、ペーターが前妻との間にもうけた息子のグスタフが、問題行動が原因で退学になったことから、彼を家に引き取ることに。

冒頭から北欧独特の雰囲気と不穏な音楽に包まれながら、物語は淡々と進んでいくが、ある領域を逸脱してからは、一体どういう結末を迎えるのか、ハラハラしながら最後までスクリーンに釘付けになりました。

シンプルな時間軸とストーリーですが、主人公の児童保護専門の弁護士という設定が効いていて、登場人物たちの巧妙に絡み合っていく感情は見応えがありました。
これほど後味が悪く、複雑な余韻が残る作品は久しぶりでしたが、その辺りも含め問題提起を強く意識した、きめ細やかな脚本は見事でした。

主人公アンヌを演じた、トリーネ・ディアホルムという女優さんは初見でしたが、様々な顔を持ち合わせるタフで難しい役柄を、誠実に演じきったと思います。

もし本作を観て主人公に共感してしまったら、その思いは心に秘めておく方がいいかもしれません。
ゆめちん

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