ねぎおSTOPWAR

クローゼットのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

クローゼット(2020年製作の映画)
4.3
これはいったい何ジャンル映画!!??笑
まあこのところ数年の韓国映画ってある種インド映画化しているように思っています。つまり何でもあり!さすがに音楽とダンスはないけど、ほら、「パラサイト」の時もジャンルって何?みたいな議論起きたでしょ。

お得意のノワール感出しつつ必ず笑わすし、裏には必ず家族の物語が流れてる。結果感動と涙もついてくるという。最高級エンタメなんじゃないか、これは。
「神と共に」も同じだろうし、「新 感染」もそうなのでは?
2016年「密偵」あたり?いや、2015年「ヒマラヤ」も実話ベースにしつつ結構異色な作りでしたしね。ここ5年いくつかの映画に見られる動きでは。

とにもかくにも「クローゼット」は面白い!

ホラー定番もあり、セルフオマージュ?「知らない」・・いやいや!笑
あとね、子供たちのメイクがこれじゃ〇〇〇でしょ!笑
振り切ってるんだな、針が。

ケチのつけようはあるだろうなあ。
言おうと思えば言えるけど・・でも心が楽しんでいた!
だからいいじゃん。

上に『 裏には必ず家族の物語が流れてる 』って書いたけど、単純な家族じゃなくてね、アルファベット3文字のアレが出てくるんだもんなあ。1997年のアレ。
それが霊現象のボス:ミョンジン(だったかな??)の背景。
正直「うわあーーここでこれ出すか・・」と心で呟きましたよ。
「・・・だから『クローゼット』かあ・・胸が痛い」とも。

これ、単純な善悪の図式見せておいて、実は悪側にも感情移入できるこんなことが・・・ってひっくり返すやり方はヤマトがガンダムになった時の変化。浅くなくて結構な深さのやつ。
それって東野圭吾小説でもよく使われるし、上記「神と共に」でもね。
浅めのは「ディヴァイン・フューリー」など。

安定のハ・ジョンウはともかく、今回は霊能力者ギョンフン役のキム・ナムギルが良かったです。あの能力使うとこの手が良かった(そこかい!)。
映画の冒頭に出てくるのは過去のビデオ。
そこに映るのは、実はギョンフンの母!
その母はギョンフンに「・・・・・」とメッセージを残す。
その意味は・・・・。

ネタバレをちょこっと以下に。








1997年国際通貨危機、IMF事件って韓国にとってはまさに国の一大事。
とんでもない出来事だったわけです。
映画にも描かれていますが、大企業を救うかわりに貧富の格差がとんでもないものになった。貧しさってものが人間の死に直結するわけですよ。
ミョンジンを生み出したものがまさにそれだったと・・。心中未遂事件。

そしてギョンフンの母の「お母さんを探して・・」ってさ、「きっとギョンフンが母を探して、最後救世主のように・・」って思っちゃったじゃん!!
そしたらそっか!!ミョンジンの母さんのことだったのね!・・と劇中のギョンフンと一緒に気づいて「くーーーっ、引っかかってしまったーー」

あとはね、韓国映画でおどろおどろしいのが出てきたら、もうALLゾンビですね!笑
全部走る!噛む!怖い!!


<253>