U-NEXTでたまたま出会った短編の「ノーマン」シリーズにハマったときに見た。
八代健志監督という天才、「ごんぎつね」に新しい命を吹き込んでくれてありがとう。
観た当時、感動して母にまで薦めて二度観たのに、なぜか記録しておらず今回また再鑑賞。
日本の古き良き情景の良さを全て詰め込んだ、ストップモーションアニメとは思えない、きらめきが美しい作品。
私が学校教師だったら絶対に生徒たちに見せてる。
日本やサブスクのみならず、本当に世界的に評価されて欲しい作品。アカデミー賞短編映画賞じゃないの?
秋の紅葉や彼岸花にも、さほど惹かれない私でも、この作品の画面一面の真っ赤な彼岸花が忘れられない。
私がいつか米津玄師ばりのアーティストになることがあったら、八代監督に絶対MV制作を依頼する。
超余談なんだけど、うちの仲悪い兄は小学生でごんぎつねを授業で習った頃、鰻と狐を混ぜた「うなぎつね」というキャラを生み出し、母からもクラスからも確か絶賛されてました。
思えばアイツ、意外と絵上手かったんだな。
ずっとごんが擬人化されているのも感情移入するポイント。
最初の慣れないうちは、ちょっとキモ可愛いな……くらいに思うのだけど、回想シーンと撃たれた瞬間にただのキツネに戻る描写も更にグッと来る。
公式のコメント動画で監督が「これは悲しいお話なんですが、その裏で隠れている優しい気持ちとか、みんな一生懸命生きていることとか、そうゆう事も描かれています。」と言っていて、ただ悲壮感あふれる話で終わらせていないのもよかった。
本作でごんがかトンボだけじゃなくバッタや親を殺された人間にすら興味を持つのは、「壁を越えて交流したい好奇心を持つから」とのこと、なるほど。
他の方の感想に新美南吉の自筆原稿だと「ごんはゆっくり頷きました」ではなく「ぐったりなったままうれしくなりました」だったと綴ってあり、それもまた美しくて泣きそうになった。
29歳でこの世を去った新美南吉に見せてあげたかったよね、って思ったら新美南吉記念館で上映されてるそうでさすがでした。