さわら

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のさわらのレビュー・感想・評価

4.0
知のバトルと言うより、少なくとも三島由紀夫は終始対話を試みている。その意味で言霊を真に信じていたのだろう。
過激に野次を飛ばし、相手を言い負かそうとする今日のSNS界隈、そしてつまらぬ国会論争。芥の語る「言葉が真に力を持っていた最後の時代」の記録。まさしく。

個人的には三島vs芥の論争より、東大全共闘が「敗北」をし現在どう総括しているのかをインタビュアーが聞くシーンが最も痺れた。1枚皮をめくって、その後ろにある怒りの存在に気づいたとき社会と世界は僕らの目の前で変貌する。その悪徳な快感。