地球外生命体

わたしはダフネの地球外生命体のレビュー・感想・評価

わたしはダフネ(2019年製作の映画)
3.3
母親を亡くしたダウン症の女性が残された父と2人で旅をし、悲しみを乗り越えて互いに理解を深めていく姿を描いたヒューマンドラマ。

監督は、デビュー作『Mar nero』(2008年)がロカルノ国際映画祭で3部門を受賞したフェデリコ・ボンディ。長編第2作にあたる本作は、2019年・第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に出品され国際批評家連盟賞を受賞。

明朗快活なダウン症の女性ダフネは、スーパーで働きながら両親と平穏に暮らしていた。しかし、母マリアが亡くなったことで生活が一変。年老いた父ルイジは自分が死んだら娘がひとり残されてしまうという不安にかられ、ふさぎ込んでしまう。そんな父にダフネは、一緒に母の故郷の村を訪ねてみようと提案。その旅は、母であり妻であった愛する人の死を乗り越え、父と娘が互いを理解しあうための、かけがえのない時間になっていく。

主演ダフネに扮するのは、監督がSNS上で見出したカロリーナ・ラスパンティ。地元の生協スーパーに就職し、現在も働いている。2冊の自伝小説を上梓し、本の収益は全てダウン症の人々を支援する協会に寄付されている。イタリアの各地で講演活動も行い、現在は『わたしはダフネ』での映画出演体験をもとに3冊目を執筆中。本作で主演を務めたことがきっかけで新聞やテレビなどで紹介されることも。ちなみに本作はカロリーナ自身のキャラクターからもインスパイアを得ている。
地球外生命体

地球外生命体