セガール幹事長代理

私がモテてどうすんだのセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

私がモテてどうすんだ(2020年製作の映画)
3.0
リア充と陰キャの決定的な違いは、環境の変化に対する適応能力の有無にあります。
特に男女の関係でその真価を発揮することは今さら言うまでもないことでしょう。

痩せてすげぇチヤホヤされるようになったBL好きの女子高生が主人公ですが、痩せた後も継続するオタク特有の気持ち悪い滑舌とマイナス思考とコミュ障が上手く表現されていたと思います。
この手の作品にありがちな『可愛くなる→何故かコミュ力まで上がる』という乱暴なプロセスを回避し、そこそこ現実的で、その一方で残酷な話運びはカースト最下層を這うように生きてきたボクの心を抉ります。

ボク、若い頃130kgあって19歳で痛風と診断されたことをきっかけに半年かけて80弱まで体重落としたんですが、栄養失調で歯茎から常に出血するわ、耳なりで眠れないわ、ED気味になるわでコミュ力上昇どころでは無かったです。

BLに限らず、一般ウケしない性嗜好は人生において大きな障害でありハンディキャップであり十字架です。
「あたし変わった人好きかも」が口癖の女に「俺、処理怠った脇の下が好き」って言ったらLINEをブロックされた被害者として痛感しています。
本作はキラキラしたラブコメ色に比重を置きすぎた感が否めず、その重い十字架と付き合い続ける受難をもう少し深掘りしてくれたら、より感情移入できる作品になったかもしれません。

最近の邦画ラブコメの中ではかなり面白い方でした。

だらっと観れます。