餃子

耳をすませばの餃子のネタバレレビュー・内容・結末

耳をすませば(2020年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

ところどころでジブリ版の中学生時代と全く同じセリフ・シーンを挟むのに、肝心なところは改変していて、結果的にジブリ版の良さが失われていた。

違和感を抱いたところ・納得いかないところは多々あるけど、特に気になったのは以下4点。

■雫が物語を書き始めた理由
雫が自分で「物語を書いて聖司くんに追いつこう」と決意したのではなく、「聖司に勧められたから」書いたことになっていた。自らやりたいこと・成し遂げたいことを見つけて挑戦した雫はどこへ…。

■最初の読者としての聖司
ジブリ版では、全力をぶつけたからこそ不安に駆られ、今すぐ物語を読んで感想を聞かせてほしかった雫と、それに応えたお爺さん。
実写版では、聖司に原稿を渡したけど、読まずに「歌えよ」。執筆に全身全霊を捧げた感じが全くしなかった。

■地球屋の主人と雫の関係
ジブリ版ではお爺さんは物語を書くのを応援し、最初の読者になり、雫の庇護者だった。
実写版ではお爺さんは雫の物語執筆に全く絡まず、成人した雫がわざわざ会いにいくほどの関係性がない。

■園村先生への謝罪
土下座して「不適切な対応ごめんなさい」と言うだけで、何が不適切だったのかも説明しなければ、自分の本当の気持ちを伝えることもしなかった。結局、大事なことは全部、園村先生が言ってくれた。
「夢を追うより現実に生きる」という決断の暗喩と考えれば納得いくけど…。

柊あおいさんの原作漫画を読んでいないので、実はそっちに忠実な作品だったという可能性に望みを託します。
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