Charlie

耳をすませばのCharlieのネタバレレビュー・内容・結末

耳をすませば(2022年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

アニメで描いていたシーンと大人になってからのシーンを織り交ぜながら展開します。そのバランスがよろしくなくて中途半端な感じの映画でした。

天沢聖司の「バイオリンを作る職人になりたい」を実写では「チェロ奏者になりたい」に変えてしまっているのはやはり残念。楽器を作る人というところが天沢君の良さなのに、実写化に伴う便宜上変えた感が否めない。

実写版は大人になった2人がメインのはずですし、アニメに描かれていない新しい部分を楽しみにしていたのですが、ちょっと過去のシーン(つまりアニメで描かれた場面)が多すぎて大人の場面が足りない。
それに互いに強く思い合いながら長く離れていた恋人同士にしては、雫と聖司が他人行儀。イタリアに会いに行ったんだから、キスの一つもしたらどうなのよ、それは説得力として必要じゃない?現実味がなさすぎる、と思ってしまった。
サラが出てくるのはありだけど、なんか雫の決断が私が想像した雫じゃない。聖司もはっきりしない態度でよくないぞ。その後、雫がイタリアで聖司と別れてきた、とか言い始めて、私が求めてたのはこういうのじゃないのよ的な気持ちで観てたら、最後にはいきなり結婚って。展開が早すぎる。
10年離れていてもずっと互いに心が通じ合っていて純愛だったなら、いきなり結婚してもうまくいくのかな?よく分からんけど。

いずれにせよ、ディズニーの「美女と野獣」や「アラジン」みたいな実写化ではなくアレンジする方法を選んだなら、大人になった雫と聖司の関係をもっと深く描いてほしかったですね。その上で結婚という話なら説得力があるのに、少し現実味が不足していました。

良かった点は
雫がムーンを追いかけて地球屋に辿り着くシーンや、親友の夕子が好きな杉村から雫が告白されてしまうシーン、天沢との図書館のシーン、雨で傘に入れてもらうシーン、学生時代を演じる俳優さんたちは原作のアニメらしく演技してましたね。特に雫の役は動きや反応をアニメに近づけて可愛らしかった。キャスティングもうまいこと考えているなぁと感心しました。
Charlie

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