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モールスのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

モールス(2010年製作の映画)
5.0
オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は、離婚間近の母親と2人暮らし。だが、彼は学校でいじめられて、孤独に苦しんでいた。
ある日、隣の部屋に美少女と初老の男が引っ越してきた。
彼女は、アビー(クロエ・グレース・モレッツ)。
ルービックキューブのやり方を教えたことが、きっかけでお互いに孤独を抱えた2人は、惹かれ合っていく。
やがて、周囲で殺人事件が起き、アビーが抱えたおぞましい秘密が、明らかになる。
スウェーデン製の傑作ホラー「ぼくのエリ 200歳の少女」を、「クローバーフィールド HAKAISHA」のマット・リーブス監督がリメイク。

初々しい危うくも切ない初恋とバンパイア・ホラーが組み合わさって、詩情豊かな美しい映像美で描かれていて、切ないホラー・ラブストーリーになっています。
いじめにあい母親からも無関心で、いじめっ子に復讐したくても出来ず孤独に苦しんでいた少年と謎めいた美少女が、ルービックキューブを教えたりゲームセンターに行ったりモールス信号で秘密の会話をして、少しずつ距離を縮めていき、美少女と一緒にいる中年男の謎やおぞましい連続猟奇殺人事件との謎が少しずつ一つになって驚愕の結末に突入する展開が、思春期特有の脆さや残酷さ一途さを含めて丁寧に描かれているので、キャリーと並ぶ切ない後味のホラー映画に、仕上がっています。
特に、アビーがオーウェンに気を使って食べられないガムを食べてそれをオーウェンが知った時に2人の距離が縮まるシーンなど、陰惨な殺人のシーンとの対比して、切ないです。主人公オーウェン役の少年とクロエ・グレース・モレッツの自然体の演技も、見事です。
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