o

パピチャ 未来へのランウェイのoのレビュー・感想・評価

-
地中海を挟んでフランスとスペインの南に位置する国、アルジェリア。
生きていく前提が日本とまるで違うアルジェリアで、女性として、一人の人間として自由に生きていくという意味は、天と地ほど差があるんじゃないかと何度も打ちひしがれそうになった。
好きなように服も着れず、好きなように歌うこともできず、結婚したら家にいて人目を避けることが良しとされる世界。
主人公のネジュマは、そんな世界に負けるものかと奮闘していて、彼女が求めることがワガママだという権利は誰にもないのだと思う。
劇中、幾度となく不幸が訪れるけれど、その責を彼女に求めるのはお門違いだと言いたい。過激な事件が起きないように自分を押し殺して相手の規範に合わせることは、服従以外の何物でもないのだから。
世界的なフェミニズムムーブメントの流れの中で、見逃しがたい一本だと思います。

一つ注文をつけるとしたらカメラワークで、近めのフレーミングが多く、手ブレが多用されるのだけど、もう少し広い画角で彼女たちの姿を落ち着いたカメラワークで見てみたいと思いつつ、若さあふれる彼女たちをカメラに収めることは難しいだろうと一人納得したのでした。
o

o