Violet

ミナリのVioletのネタバレレビュー・内容・結末

ミナリ(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

TO OUR ALL GRANDMA
우리의 모든 할머니에게

1980年代。農業で成功することを夢みる韓国系移民のジェイコブとその家族の物語。移民や宗教、スピリチュアルな表現も多く、自分の知識不足のために色々消化できていないところがあると思うのでそれがとても残念だった。

全体的にしっとりじめじめ進んでいく感じなので、これが好みを分けるかなという印象。1980年代といえばインターネットももちろんなく、その当時の繋がる人々がいない「孤独感」というものは今とは比べ物にならないだろうな。

全て自分が正しい!と常に周囲を馬鹿にしたような態度で我が道を進んでいくジェイコブとそれに飽き飽きしているモニカ。そんな2人の関係を心配する子供たち。そこにモニカの母がやってきて、家族の形を大きく変えることになる。

デビットは当初全然おばあちゃんらしくないおばあちゃんに対して嫌悪感を露わにするが、だんだんと2人が心を通わせていく姿がとてもよかった。

火事をきっかけに、夫婦は相手に目を向けるようになる。
夢を追うことに夢中になっていたジェイコブは妻の大切さを思い知り、
早く農場なんて手放してくれと思っていたモニカはジェイコブの育ててきた作物たちを守ろうと必死になる。

おばあちゃんが脳卒中になってからポールに祈りを頼んだり、
ジェイコブはダウジングの力を借りてみたり、
わからないけど、周囲の声に耳を傾ける柔軟さが大切だったのではないかと思う。

冒頭で叶わなかった家族の雑魚寝はラストシーンで実現され、それを見つめるおばあちゃんの姿がとても印象に残っている。
助け合う、それこそが家族の形。

▼ダウジング
ダウジングと呼ばれる人間の潜在意識のパワーを用いて水脈を掘り当てる方法?が出てくるが、これはキリスト教とは全く別物でむしろダウジングは17世紀後半にはキリスト教から糾弾を受けていたらしい。
水に関わるものってキリストのイメージ強くてこれも宗教の一環なのかと思ってた...
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