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ミナリのcinecoroのネタバレレビュー・内容・結末

ミナリ(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の音楽からあれっと思ったのだけど、井戸を掘るのも小屋が燃えるのも純と蛍もリンクしてて、でもお父さんがイケメンすぎて黒板五郎の様な朴訥さとどうしようもなくがんばってるんだけど上手くいかない感じが足りないなぁ…いやいや別にこれ北の国からのリメイクじゃないから!と脳内が忙しくて平静に観ていられなかった。

"全てのおばあちゃんに捧ぐ"て、言葉通りの意味としてあまり深く考えなかったのだけど、後から理解を深めようとすると、これアメリカですごく支持されてるってことと繋がってて、つまりアメリカ国民は移民としての祖先のルーツを血で感じてるって事なのかな。これはOur Storyであると。だとしたらすごくいい話じゃないの。
そうするとラストに根を張るミナリのシーンが(どこでも育つ、子どもの為に親世代ががんばるという意を含んで)ぐっと力強く響いてくる。
私自身も子供の頃父親が突然縁もゆかりもない福島の山奥に土地を買って小屋を建てるって出来事があったので他人事ではない感じもあったのだけど、あの山奥のキラキラした湧き水の描写とかヘビに気を付ける感じが懐かしくて、子どもはやっぱりどんな状況でも意外と楽しむ力があるよなあと思い出した。なので北の国からのイメージを払拭してもう一回観たい。
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