竜どん

ゾッキの竜どんのレビュー・感想・評価

ゾッキ(2021年製作の映画)
3.0
ユルくてジワる。『ゾッキ』には悠久の時がたゆたっている。ひたすらこのユルさに身を任せないとアカン作品や。だがそのユルさが心地良い。

サエない男藤村のこれまたサエないチャリ旅行の道の行きゆき。
ワゴンと蜜柑泥棒とビデオボーイ

牧田と伴君の馬鹿みたいな嘘でつながる変態じみた友情。
ブスなあややと仏壇とパンティー

クズい父親と息子のホラーな一夜。
白塗り少女とお漏らしとコーヒー

自分への挨拶を毎日職場に仕込む少年のループする毎日。
おはようとお○○こ

どうしようもない男達の呑気で何でもない日常。ドラマチックに繋がる訳でもなくシュールにすれ違う距離感が絶妙。そのどうでも良いニアミスにホッとしクスリとさせられる。
誰もが「秘密」を持っているし、誰もが「嘘」をつく。
そして誰かが「秘密」を守ってくれ、誰かが誰かのために「嘘」をついてくれるおかげで世界がうまく回るのだ。
世の中はそんなことの繰り返し。
仕事終わりに立ち寄っての本作鑑賞。
何か元気出た。
竜どん

竜どん