トールキン

MINAMATAーミナマターのトールキンのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
4.3
水俣病と聞いても恥ずかしながら名前くらいしか知らないし、昔社会の授業で習ったくらいの知識で、どんな症状とかどういう実態だとか、当時はどういう社会背景だったとか一切知らずに鑑賞。

それでもある程度予想はしてたけど完全に斜め上を行くくらいの衝撃的な内容だった。冒頭からずっと続く目を覆いたくなるような、そして瞬き一つ出来ないくらい数々のシーン。話が進むにつれて重苦しい気持ちになっていく。
悲しみや感動とは違うよく分からない感情が湧き上がってきて涙が溢れる。大袈裟に聞こえるかもしれないが正に魂が震えると言っても過言じゃないくらいのゾワゾワーっと内なる感情が込み上げて見終わった後の余韻がハンパない。ざっくばらんに言えばものすごいモノを見てしまったというのが率直な感想。間違いなく個人的に今年見た作品の中で上位に入る作品。

このような感情にさせてくれた要因の一つに出演者の演技が挙げられる。ジョニーデップがこういった役柄を演じるのは珍しいなと思ったけど、もう真摯に向き合って演じていたのがとても伝わってくる。
そして、日本の俳優陣の素晴らしいこと。
彼らの作中の演技が、前述の通り何かかう気持ちを奮い立たせてくれるというか、込み上げさせてくれるくらい凄まじさを感じることが出来た。

実際のこの一連の出来事から50年以上経っているが、いまだにこの病気で苦しんでいる人々がいて、その苦しみは当事者にしか分からないだろうけど、私たち自身も同じ人間として目を背けずしっかり受け入れ、記憶に留めておかなければならないな、と本気でそう思えた。
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